あえてレトロとは表現する必要のない現役の喫茶店を、前オーナーさんが亡くなられ、最近、僕の友人夫婦が経営を引き継いだ立派な昭和の喫茶店。
何年か前にはNHKのドラマのロケにも使われたお店だそうです。
近年のカフェブームには、どこ吹く風。在りし日の昭和の高級感がゆらゆらと漂っています。
とある著名な小説家さんが若かりし時代、常連さんだったみたいです。
女子高生だった頃、コーヒーを飲みに来ていたという方々は、現在は70歳半ば。お店が再開し、常連さん方が再びコーヒーの味を楽しみに来られてるようです。
店を引き継いだ彼は、還暦を過ぎるまでは、実力のある有名なデザイナー。だから、このお店の雰囲気にぴったり。
現在もデザイナーの仕事は続けています。
僕が高校生の頃には、大人カップルのための「同伴喫茶」なるものがありました。大人ぶって当時のガールフレンドと行ったら、周りの大人カップルの怪しげな雰囲気に負けて、何もオーダーせず、彼女の手を引いて店を出たことがあります。
そんな店とは違い、クラシック音楽がよく似合うシックな店内に、彼や彼の仲間の絵描きさんの描いた作品が壁にかけてあり、詳しい人が見れば、その凄さに驚くはずです。
アーティストの感じを一切出さず、静かで自然な雰囲気とコーヒーの香りが、昭和へとタイムスリップさせてくれるひと時。新たな居場所が出来たことに喜ぶ僕も、やはり歳かなと考えてしまいます。
nokky