nokky's blog

音楽家の気まぐれブログ

友人が経営する昔ながらの喫茶店にて


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あえてレトロとは表現する必要のない現役の喫茶店を、前オーナーさんが亡くなられ、最近、僕の友人夫婦が経営を引き継いだ立派な昭和の喫茶店

何年か前にはNHKのドラマのロケにも使われたお店だそうです。

近年のカフェブームには、どこ吹く風。在りし日の昭和の高級感がゆらゆらと漂っています。

 

とある著名な小説家さんが若かりし時代、常連さんだったみたいです。

女子高生だった頃、コーヒーを飲みに来ていたという方々は、現在は70歳半ば。お店が再開し、常連さん方が再びコーヒーの味を楽しみに来られてるようです。

 

店を引き継いだ彼は、還暦を過ぎるまでは、実力のある有名なデザイナー。だから、このお店の雰囲気にぴったり。

現在もデザイナーの仕事は続けています。

 

僕が高校生の頃には、大人カップルのための「同伴喫茶」なるものがありました。大人ぶって当時のガールフレンドと行ったら、周りの大人カップルの怪しげな雰囲気に負けて、何もオーダーせず、彼女の手を引いて店を出たことがあります。

そんな店とは違い、クラシック音楽がよく似合うシックな店内に、彼や彼の仲間の絵描きさんの描いた作品が壁にかけてあり、詳しい人が見れば、その凄さに驚くはずです。

 

アーティストの感じを一切出さず、静かで自然な雰囲気とコーヒーの香りが、昭和へとタイムスリップさせてくれるひと時。新たな居場所が出来たことに喜ぶ僕も、やはり歳かなと考えてしまいます。

 

nokky

 

1999年の開始以来、長寿の帯番組が終了。音楽制作を担当した思い出


番組タイトル曲を作った民放テレビの長寿番組が、本年3月で終了になりました。25年前の1999年4月からの開始に伴い、前年の暮頃にテーマ曲制作の依頼がありました。

自分の数ある作品の中でも、特に音楽理論とは真逆な部分を詰め込んだ珍しい作品になり、それが良かったのか、多くの方々の記憶に浸透する音楽になって行きました。

 

26年前の1998年12月。制作当初はAタイプ、Bタイプ、そしてCタイプの3曲を、比較用としてプロデューサーさんや関係者の皆さんにチョイスして頂きました。

意見は割れ、どのタイプも良いということになったのですが、なかなかまとまらず。

結局、大部分はAとBタイプ、そして、おまけ的に作った、いわば捨て駒的な比較用作品のCタイプが、その後、よもや視聴者に強烈なイメージを与えることになるなどとは、想像もしていなかったのです。

つまり視聴者に浸透させたのが、歌とスキャトを入れた、聴き比べ用の捨て駒的作品のこのCタイプ。

オーダーは、この3タイプ全てをミックスした作品を作るように依頼されたのです。

 

局の社運をかけた作品なんだと、今は亡き、有能な女性プロデューサーさんから言われ、初回の放送中に視聴者さんから、音楽についてのコメントがFAXで寄せられる確信と自信はあるかと聞かれたのです。

僕は、3パターンミックスの上、捨て駒の歌入りC タイプを入れた、まるで寄せ鍋料理のような作品を制作したことが初めてだったので、正直、とても不安ではありました。

 

4月の放送開始日、担当したベテランのアナウンサーさんのキャラと力量により、放送開始前から番宣の効果もあり、一気に話題になりました。もちろん、プロデューサーさんから言われたように、放送中に何通ものFAXが視聴者さんから寄せられ、安堵感から胸を撫で下ろした覚えがあります。

 

1999年の3月。放送一月前。3パターン連結と歌の収録の時のこと。

シンガーさんから「楽典上は、この部分の音は下げるべきではないの?」と質問されました。記譜はしてるが、記譜通りに歌うと、くだらないフレーズ。つまりこれは表現であり、音楽の理論では考えず、言葉。音楽の概念は捨てるようにと言ったら、シンガーさんは何度も何度も歌い直し、結果、見事に表現してくれたのです。現在でも全国番組や地方番組でも、このタイトルの中の強烈な表現は他には無いはずです。まるで登録商標のようになってしまったのでしょうね。

 

楽典の常識の真逆を考えた、面白い作品になりました。その上、ポリリズムではなく、それぞれの楽器が様々なジャンルのリズムを奏でる、面白い結果が生まれたのです。

 

タイトル音楽は、音楽というよりも、「表現」という言葉。全体を見渡すことが出来るようなることを、この時、僕自身、深く悟ったことです。

 

その後、この夕方の帯番組は、地方番組と言えど、驚異的な視聴率をずっと上げていくお化け番組になって行きました。

当初、曲の冒頭にアメリカ人のミュージシャン(当時、本職はニュヨークの警察関係者)のタイトルコールの声を入れ、Cタイプの曲がスタートし、ポリリズムなどではない多ジャンルの楽器とリズムによるA.Bパターンに続く、面白い作品になったのです。別物3タイプをミックスした偶然の賜物でした。

 

ところが、とある問題が起きたのです。

後にも先にも、これまでの経験上、聞いたこともない理由からでした。

 

放送が10年以上続いていた頃でした。

 

この続きは、また〜

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●1994年に導入したマッキントッシュLC630  これで膨大な数の作品を制作しました。まだAタイプ、Bタイプ、Cタイプの楽曲データが残っています。

ところがこのMAC。ノントラブルにて今も稼働中。

同業の音楽家が言うには「ゼロ戦だね」まあ、性能が良過ぎて、他のPCはG5、Windows11は録音としてDAWを動かすだけ。


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久々に爆睡

昨夜は早寝して9時間も眠っていまい、寝すぎで頭がボーっ。 

4月に突入。決意を崩さぬように仕事をしよう決めました。毎年のこと。

なかなか自分を成長させることが出来ないことのジレンマ。

 

何にでも、直ぐに結果を出したい性格のくせに、「花木には水を与えて、時が来れば花は開く」などと、人には言うくせに自分に対しては真逆。

焦らないとエネルギーにならないのが困った性格です。

 

最近、スマホの文字変換が一瞬遅れて違う文字になることが多く、特にラインでは間違い文字が再々。

「〜そのほうが便利だと思います」と送ったつもりが、確認しない僕が悪いのですが、「〜そのほうが〈便器〉だと思います」になっており、先方から、爆笑の絵文字付で、添削して戻ってきました。

再々なので、集めてNG特集でもやればいいのかも知れません。

iPhoneならあまり変換に関するトラブルは無いようですが、古くなったアンドロイドは怖いです。

 

永井荷風の名作を購読中🎵 
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漢方薬がよく効いたけど……

少々、ストレスが重なっているかな。

お世話になっているデザイナーさんから、今日、ホッとする助言を頂いたことで、少しだけ自分を客観的にみることができました。

自己評価が低い僕は、直ぐに思い悩むことから、それが重なり、最近は頭がクラクラしたり、胸が締めつけられたり。

でも、今日の一言には救われた気がします。

自分自身を見つめ直すチャンスかな。 


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今日は悪天候。家に戻れないほど潰れそうに不調。今、お店でコーヒーを飲みながら、暗くなって行く街並を眺め、そろそろ帰宅しようかなと思いながら、ぼんやり。帰宅しても一人、外にいても一人。ならば帰宅しても同じなのに、全くおかしな症状だなと考えています。

 

処方して頂いた漢方薬が効いた感じがします。しかし、自分の心の不調はクスリでは治せないと思うんです。

 

まあ、天気が回復すれば、少しは良くなるかなと、かすかな期待をしている弱きマイナー音楽屋の自分です。

 

 

 

 

出版して三ヶ月


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書き下ろし小説「風八つ」を、Kindle版とペーパーバックから、両方を出版し三ヶ月。ジワジワだけど評価もまあまあ。

マイナーですが、長年、オーディオドラマや演劇、ミュージカルの音楽とシナリオを作ってきましたが、シナリオ作品のノベライズは、まだまだチョッピリ。

出版はしたものの、膨大な原稿ゆえ、文字変換の間違い箇所があちこち。注意散漫な性格も災いしました(;_;)

3回の改定。編集ミス。失格だなぁ。

電子出版なので、容易に編集は出来るのは助かりますが、Kindle版なら購入頂いた読者の方へは自動更新されるのでまだしも、改定前にペーパーバックの紙の本を購入された読者の方には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

シナリオ台本の場合は、役者さんに訂正箇所を言えば済みます。しかし小説は、不特定多数の方々に読まれることから、大手出版社のように、校正もきちんと行われるなら安心なのですが、少人数で行った出版の怖い部分が身に染みています。 

どうにかスムーズに進み始めて、やっと胸を撫で下ろしています。

 

音楽作品のサブスクとCDは沢山あり、問題箇所などは、これまでもありませんでした。しかし、文字の難しさに頭を悩ませた三ヶ月。視力は一気に老眼が酷くなったようです。

僕は音楽家なのか? 執筆家なのか?

混ぜ合わすと何家なんだろうと考えています。

まあ、高額稼ぎには程遠いのは確かなので、また就寝前にでも考えてみようかなと思います。

 

次回作「猫の目商店街 一夜かぎりのフランス座
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音楽の変化と長生きなアナログ楽器の魅力

日本では最初の楽器で、2003年当時、お世話になっていた輸入代理店のオーナー様よりイタリアから輸入して頂きました。受注生産の後、やっと2004年に入荷、今年で20年になりました。毎回、使用後には手入れに時間をかけ、ノントラブルにて仕事を行っています。


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輸入代理店のオーナー様は、その後、惜しくも他界されました。きちんと手入れを欠かさず大切にすることが、随分とお力になって下さったオーナー様への感謝でもあります。

楽家として、様々な場所で演奏を行う日々、このビブランドネオンが手元に来た20年前と比べると、世の中の音楽の概念は随分と変わったように感じます。

 

僕が若くして初めて仕事に就いた47年前とは音楽は変わりました。世代も変わり、当然、世間の価値観も変わました。

凄いパフォーマンスが重要視される今、You Tubeなどの動画の中の音楽は観て楽しむものに人気があるようです。しかし、アナログ時代、人々の耳から入っていた音楽は、多くが優しい揺らぎを放っていました。

とは言え、僕は、仕事ではデジタルだらけの作品制作が必須なことから、避けては通れない日々を送っています。だからでしょう、揺らぎを一層感じるアナログ音楽の魅力に取りつかれており、演奏の仕事では、シンセサイザーを使用する頻度も、歳を増すと共に減って来ています。別にアンチデジタルではないのですが。

ビブランドネオン。このアナログ楽器はとても豊かな倍音を含む音色。これまで仕事の現場に持ち込むことは、頻繁に行っていなかったこの幻の名器を、最近はコンサートでも、よく使っています。

どの楽器も、パフォーマンスも重要視する道具です。しかし、更に深い部分では、その楽器にしか出ない揺らぎを、演奏者がどこまで引き出せるかが大切だと思っています。

 

講釈ばかりを並べ立てるようになったけど、歳かな……


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1週間、1ヶ月がマッハGO! GO! GO!

この一週間は、特に停車駅が無いような、あっという間に過ぎ去る新幹線のぞみに乗っているかのような、そんな一週間でした。

年々、スピードを増しているような感じに、錯覚であってほしいなと思うのです。仕事でお世話になっている方々も、口を揃え言われます。そんな年齢なんだよと言われれば仕方ないかぁ、との結論。

 

以前、公務員を退職した知人に出会いました。チャリを必死で漕いでいました。

〜何を急ぐんだ?聞けば、再雇用先も役所関係だと言いながら、今から自宅に戻るところだと。

すれ違いざまの僕の存在も気づかないほど、ダッシュで猛スピードのチャリ。

そんなに漕がなくても安定してる日々なんだから。

僕は、一週間があっという間に過ぎる新幹線のぞみ。替わってやろうか? と思いました。

安定してる彼はチャリ。安定とはほど遠い僕は、のぞみ。

彼と話しました。え〜! 僕も同じ年齢なんだ! どうしょう…… っと、変な焦りが襲ったわけです。

いつの間にか彼らと同じ陸上競技のトラックを駆ける感覚になってしまった自分に気づかず、いつも自分に言い聞かす言葉を忘れてしまうという、情けない状態になりました。

「僕は障害物競走のひとりランナーだ」と、この言葉を自分のために心のポケットに入れています。

ポケットに手を突っ込むのを忘れ「はぁ〜 いいなぁ」と思うと、心のポケットの中の言葉の存在さえ、気づかなくなるわけです。

定年のない仕事を選んでいる自分は、毎日毎日が戦いであり、贅沢は言えない。毎日毎日、障害物ひとり競走では、障害物は、今日は忍者のマキビシ、水の入ったバケツ、落とし穴、イノシシ、スカンクetc。

やはり日々大変🥲

他の人との競争に心を奪われると、自分自身を見失ってしまうわけです。

 

「あっという間」から悟る人生の時計。

しかし、「あっという間に」は「知らぬ間に」というオプションが必ず付属しています。

善きにも悪しきにも「知らぬ間に」から起こった結果をどのようにするかは自分次第です。

 

 

お芋を蒸した!

ゆったり時間を作ったぞ😀
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